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HOVER HOUSE

物件名  HOVER HOUSE
所在地 広島県
主要用途 一戸建ての住宅
用途地域 市街化調整区域
構造 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造
階数 地上2階
最高高さ 6.800メートル
最高軒高 6.560メートル
前面道路 南側4.00メートル、北側5.50メートル
敷地面積 446.06平方メートル
建築面積 194.32平方メートル
延床面積 184.71平方メートル
設計期間 -年-月-日〜-年-月-日
工事期間 -年-月-日〜2006年3月-日
担当 中薗哲也
構造設計 名和研二/NAWAKENJI-M
設備設計
写真 矢野紀行
受賞 2007年 日本建築家協会優秀建築選
2009年 日本建築学会作品選集
2009年 第1回JIA中国建築大賞 住宅部門大賞

敷地周辺には水田が広がっており、近くには国立公園、ジュンサイの採れる調整池、竹林等もある緑豊かな環境である。敷地は東西に長く、南側を囲むようにくの字に折れ曲がっている。南と北西の二面が道路に接していて、そのうち北西の道路は南側よりも1〜1.5m程高い位置にある。

緑豊かな自然環境は言うまでもなく、この道路の高低差を積極的に利用することが、この建物のポテンシャルを高めることになるのではないかと考えた。

周辺には水田や調整池が広がっており、降雨後の水害が懸念されたので、建物へのメインアプローチを北西の高い道路からとし、建物全体を敷地いっぱいのデッキテラスごと、スチールのスケルトンにより、GLから1.3m持ち上げ、その床下空間をピロティーのようなオープンスペースとすることにした。日常的に湿気の多い地盤であるため、コンクリートの高基礎で建物を持ち上げるとかえって湿気溜まりになるので、風が自由に通り抜けられる空間が最適だと考えたのである。

比較的平面的に長い建物なので、設備機器の計画次第では、エネルギー効率がかなり悪くなってしまう。ここでは、浴室・洗面、キッチンの直下に給湯器を、エアコンの室内機の直下に室外機を設置し、設備機器に与える負荷を最大限減らしている。さらに配管設備も床下のオープンスペースの中を露出配管としているので、設備機器の交換が容易に出来るようになっている。また、室内空間は構造体と家具のみで構成されており、間仕切壁等も工場で製作した木製のフラッシュパネルを設置しただけのものなので、それを移動すれば設備機器のメンテナンスが容易に出来るようになっている。

このプロジェクトでは他にも、軽量で運搬が容易な左官下地用のラス網を、傘釘で桟木に留めただけの簡易なコンクリート型枠や、一枚が1m×5mのスプルス積層材をスラブ用の捨て型枠(打設後解体せずそのまま放置し仕上げ材とする)として利用する等の工法的な試みも行っている。特定の材料が集中的に利用されている工法についての提案である。

建物は敷地に沿うように配置され、全ての部屋が南側の宙に浮いたデッキテラスを囲むように並んでいる。そのデッキテラスには床下空間を利用したプールを設けている。去年の夏クライアントから、「プールから上がって水着のままデッキテラスの上で横になっていたら、床下に敷き詰められた割栗石で冷やされた風が、(少し広めにとった)デッキ材の隙間から抜けてきてとても気持ち良かったです」という電話を頂いた。

-中薗哲也-

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