物件名 | : | MITEZZA C6 | |
所在地 | : | 東京都板橋区大山東町32-16 | |
主要用途 | : | 共同住宅 | |
発注者 | : | マツヤハウジング株式会社 | |
用途地域 | : | 商業地域・第2種住居地域 | |
構造 | : | 鉄筋コンクリート造 | |
階数 | : | 地上14階 | |
最高高さ | : | 43.990m | |
最高軒高 | : | 43.390m | |
前面道路 | : | 東側40.000m、西側2.750〜4.000m | |
敷地面積 | : | 755.850m2 | |
建築面積 | : | 488.630m2 | |
延床面積 | : | 5470.240m2 | |
設計期間 | : | 2006年3月22日〜2007年1月24日 | |
工事期間 | : | 2007年1月25日〜2008年4月4日 | |
担当 | : | 中佐昭夫、遠藤千裕 | |
構造設計 | : | 東急建設設計部 | |
設備設計 | : | 東急建設設計部 | |
施工 | : | 東急建設 | |
掲載 | : | 『LiVES』 2008 AUG&SEP号 第一プログレス | |
: | 『BICYCLE NAVI』 2008/7月号 二玄社 | ||
: | 『BiCYCLE CLUB』 2008/5月号 エイ出版社 | ||
: | 『funride』 2008/5月号 ランナーズ | ||
受賞 | : | 2008年 GOOD DESIGN 賞 建築・環境デザイン部門入賞 | |
写真 | : | 大竹静市郎 | |
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自転車ユーザー向け賃貸マンション。敷地は板橋区役所近くにあり、片側4車線で交通量の多い山手通りと、大山商店街に通じる小さな生活道路との間に挟まれている。性格の違う2つの道路をつなぐように、敷地を横断する第3の道「third way」を通し、建物へのアプローチを2方向とした。「third way」に面して建物のエントランスホールがあり、入居者が自転車のメンテナンスをする「サイクルピット」をホール内に設けている。空気入れ、作業スタンド、フォームチェックができる大きなミラー等を備えている。エレベーターはウォークスルー方式で、自転車の出し入れが簡単。各階で住戸に隣接して戸別の駐輪場を設けている。 「自転車に乗ろう」をコンセプトに掲げている。環境・健康問題に対し、建物として何が出来るかを考えたとき、どのマンションにもある駐輪場や共用部を考え直すことで、入居者の意識や生活スタイルを少しだけでも改善する、ということを目標にした。建物立地は荒川サイクリングロードまで6キロ、皇居まで10キロと程よい距離にあり、直面する山手通りには自転車専用レーンが設置予定で、自転車に乗りやすい状況もあった。 建物の敷地は、板橋区役所前駅徒歩3分の便利な場所にあるが、新宿や池袋に近接しているわけではない。また直面する山手通りには2階建ての首都高速が走り、周辺環境が必ずしも良いとはいえない。しかし積極的に自転車に乗ることを前提にこの立地を捉え直してみると、どこからも少々遠いことが、実は距離的に程よいことになる。山手通りも、実は自転車に乗りやすい。発想の転換で、マイナスをプラスにしたいと考えた。 この建物は地球規模でみれば全く小さな存在だが、それでも120戸あり、「自転車」を軸に集まって住む各個人同士で小さな社会・文化をゆるやかに形成できる素地がある。エントランスに設けた実用的なサイクルピットは、自転車利用者にとってコミュニティスペースになり得るし、あるいは玄関脇に設けた自転車置場を挟んで、近所同士の会話が成り立つかもしれないという期待をこめた。 -中佐昭夫- |