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2×ハウス

物件名 2×ハウス
所在地 広島県福山市
主要用途 一戸建て住宅
発注者 個人
用途地域
構造 木造
階数 地上2階
最高高さ
最高軒高
前面道路
敷地面積 287.52 m2
建築面積 108.03 m2
延床面積 112.70 m2
設計期間
工事期間 2017年10月〜2018年8月
担当 中薗哲也
構造設計 山本憲明構造設計事務所
設備設計
施工 棗田建工
写真
 

地方の郊外住宅地で一般的な敷地形状に、今回のように道路に対して間口が狭く、奥行き方向に長く伸びているものがある。そこで典型的な郊外住宅地に対して、どのような住宅のあり方、空間構成があり得るのかケーススタディとして考えた。

通常、敷地長手方向の敷地境界には隣地建物が迫っているので、そちらに向かって開口を大きく開けたり、空間を開いたりすることは避けたい。住宅の諸室すべてで十分な自然採光・通風を確保したいので、長手方向に空間を開き、各諸室を並列させ、上階部分も同様の状態で積層させる。これを木造で考えると、長手方向を耐力壁で短手方向を柱・梁のラーメンとした一方向ラーメン構造を実現する必要がある。短手方向に対して柱・梁は曲げを受けるので、その方向に寸法を大きく確保できる2×材(ツーバイ材)がこの建物の構造材にはもっとも適していると考えた。予算や工期を考慮して、可能な限り一般に流通している既成の材料を使用したかったので、継手・仕口などすべての接続金物をビスのみで対応している。この構造を木造で実現するために難航した箇所が柱脚部分で、当初柱脚だけはガセットプレートなど特注金物 を製作するしかないと考えていたが、柱─梁、 梁─梁の仕口と同じディテールでも固定端の柱脚とすることができると構造家の山田憲明氏から提案があり、明快な単一の納まりでこの構造体を実現することができた。

室内の長手方向の壁は原則なくし、2×材の列柱で各室を仕切っている。この列柱は、短手方向には壁に変わって並列された空間同士を緩やかに分節し、長手方向には内部空間が外部まで連続することを強調する。淡々と連続するこの繊細な柱・梁は、高い構造強度と同時に 空間の意思を自在に伝える雄弁さも兼ね備える。
ゴシック様式の教会に見られる「フライングバットレス」の力学にも重なる2×材の列柱に支えられた木造空間。規則正しく、どこか緊張感のあるシステムの中に、プライバシーとパブリックのグラデーションが柔らかく外部まで連続する。そんな住宅を考えた。

-中薗哲也-

 

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