物件名 | : | 町田自然幼稚園K・L棟 | |
所在地 | : | 東京都町田市忠生2-7-5 | |
主要用途 | : | 幼稚園 | |
発注者 | : | 齋藤祐善/学校法人正和学園理事長 | |
公式サイト | : | 町田自然幼稚園、正和学園 | |
用途地域 | : | 第二種中高層住居専用地域、第二種高度地区、準防火地域 | |
構造 | : | 木造(K棟)(L棟) | |
階数 | : | 地上1階(K棟)(L棟) | |
最高高さ | : | 4.240m(K棟)、4.857m(L棟) | |
最高軒高 | : | 3.180m(K棟)、3.605m(L棟) | |
前面道路 | : | 南側6.000m | |
敷地面積 | : | 4692.530m2 | |
建築面積 | : | 177.910m2(K棟)、200.430m2(L棟) | |
延床面積 | : | 145.120m2(K棟)、169.650m2(L棟) | |
設計期間 | : | 2005年10月14日〜2006年1月23日(K棟)、2006年8月1日〜2007年2月9日(L棟) | |
工事期間 | : | 2006年1月24日〜2006年4月5日(K棟)、2007年2月10日〜2007年5月31日(L棟) | |
担当 | : | 中佐昭夫、田中知博 | |
構造設計 | : | 草間徳朗/草間構造設計室 | |
設備設計 | : | – | |
施工 | : | 大倉建築 | |
掲載 | : | 『建築知識』 2013/6月号エクスナレッジ | |
: | 『Kindergartens』 2011/1月出版 Braun Publishing | ||
: | 『architecture for children』 2010/10月出版 ACER | ||
受賞 | 2009年 日本建築家協会優秀建築選 | ||
写真 | : | 大竹静市郎 | |
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2003年から続く町田自然幼稚園の増改築工事、第4期目として2つの保育室を備えたK棟を増築し、続いて2つの保育室と給食キッチンを備えた第5期目のL棟を増築した。 高台の雑木林を活用した敷地は、東へ緩やかに傾斜していて、日当たりと眺望に恵まれている。周辺の雑木林が次々と宅地化されるなか、幼稚園には豊かな緑が残っていて、当初から「できるだけ樹木を切らないようにする」のが、施主の要望だった。 そのような環境を念頭に設計を進め、K棟では建物中央に桜の木を残した坪庭を設けた。L棟では傾斜した丸い中庭と樹木を抱えるようなC形平面の建物とし、中庭を縁取るようにスロープ状の廊下を設け、それに沿って低いほうからキッチン・保育室1・保育室2、を違う床高さで並べた。 保育室のプライバシーには微妙な加減が必要だ。室外に向かって開放的すぎると園児は気が散ってしまうし、閉鎖的だと室内で何が起きているのか分からない。K棟では間仕切りに大きな窓を設けて大人の視線は抜けるようにして、子供の視線はスリット状の小窓以外は抜けないようにすることで部屋同士の関係を調節した。L棟では床高さの違いを利用して、部屋同士が隣り合う壁面で互いに視線を交わらせることなく、気配が伝わるようなつくりとした。 K棟は外壁に対しても同様のスリット状の開口部を設けて居心地を確保しているが、対照的にL棟の壁面はできるだけガラスを用いた開放的なつくりとしている。それは、幼稚園の敷地内でもとくにL棟の周りに多く残されている木々が気持ちのいい影をつくっていることや、裏手が幼稚園敷地の端部で、そこから広がる眺望を直に感じられるようにすることが、保育室内の居心地の確保につながると考えたからだ。 -中佐昭夫- |