物件名 | : | 大津苑・別館 | |
所在地 | : | 神奈川県横須賀市大津町1-17-1 2F | |
主要用途 | : | 和食店 | |
発注者 | : | 個人 | |
延床面積 | : | 116.200m2 | |
設計期間 | : | -年-月-日〜-年-月-日 | |
工事期間 | : | -年-月-日〜2004年9月27日 | |
担当 | : | 中佐昭夫 | |
構造設計 | : | – | |
設備設計 | : | – | |
写真 | : | 大竹静市郎 | |
|
|||
オーナーは自宅建物の1階で「大津苑」を営んでいる。これは焼肉料理店で、夜間営業のみだが、いつも夕方早い時間からお客が押し寄せて繁昌している。松坂牛を中心とした和牛しか使わないなど、味にこだわりながらも値段はリーズナブルなのが特徴だ。 そのノウハウを生かし、今度は自宅建物の2階を改造して和食店をつくる、これが「大津苑・別館」である。 大津町は三浦半島の小さな町だが、常連には東京からわざわざ足を運ぶ人や、団体客もいらっしゃるとのこと。その期待に応えるべく(味はもちろんのこと)店の雰囲気を充実させたい、というのが依頼の内容だった。 「大津苑・別館」の客席は2階の一番奥にあり、入口から客席に至る途中でキッチンを眺められるようになっている。客席とキッチンは連続していて、キッチン側は天井が大きく吹き抜けている。 美味しい料理をつくるために、スタッフが自覚をもって、いきいきと働けるようなキッチンにしてほしい、これがオーナーの強い要望であった。そのために、空間的には一番広くてぜいたくな吹抜けの大半をキッチンとして活用している。 いっぽうで客席は全体的に天井の高さをおさえ、落ち着いて食事ができる空間にしてある。1階の焼肉料理店にちなんで、いわゆる「焼きアミ」を照明器具や間仕切りに転用してあり、デザイン上のアクセントになっている。 お客さまが神様、とはよく耳にする言葉だ。であればこそ、お客さまの視線を受け止めながら、緊張感をもちつつ、気分のいいキッチンで美味しい料理をこしらえるべきではないか。お客さまには、それを横目に、落ち着いた雰囲気の客席で料理と会話を楽しんでいただければ。そんなオーナーの考えを建物に反映させたつもりである。 -中佐昭夫-
|